はじめに
本日、2024年度 技術士第二次試験 筆記試験の合格者発表が行われました。
喜びを噛みしめている方がいる一方で、ほとんどの方が悔しい思いをされていることと思います。
「あれだけ勉強したのに」
「あと何回受けないといけないんだ」
「自分にはこの試験無理なのかな」
「もうこれで諦めようかな」
という気持ちになり、モチベーションの炎が消えかかってしまっているかもしれません。
この試験はおよそ9割の方が不合格になる過酷な試験です。「試験に向けてこれまで努力してきたことは決して無駄にはならない」と言われても、そんな言葉では慰めにならないくらい今は悔しい思いをされていることかと思います。
これだけあなたが打ちひしがれているのは、悔しい思いをしているのは、それだけこの試験に真剣に向き合ってきた何よりの証拠です。
人は負の感情ほど大きなエネルギーになると言います。
向き合う思いが大きかった方ほど、かける思いが強かった方ほど、気持ちの落ち込みも大きいことと思います。
だからこそ、その悔しい思いを、未来を切り拓くためのエネルギーに変え、来年に爆発させませんか?
不合格のいまだからこそ、必ずやっておきたいことが2つあります。
①開示請求
②口頭試験の内容把握
負の感情をエネルギーに変える
私は社会人になってから勉強に1000時間以上の時間を費やし、20代のうちから多くの資格試験に挑戦してきました。
しかし周りからは
「なんでそんなモチベーション高いの?」
「何を目指してるの?」
といつも言われます。
私を突き動かしているのは、間違いなく悔しい思いをしたときの自分自身の負の感情です。
私は中学まで比較的良い成績でしたが、高校時代に勉強ができなくなり、ドン底まで落ちたことがあります。学年最下位となり、当時の全国偏差値は30台でした。周りの友達は優秀であったため、私は散々バカにされました。
振り返るとそのときの悔しさが起爆剤となり、社会人になってから人一倍勉強をするようになりました。「あのときに開いた周りとの差を埋めたい、いつか彼らを見返したい」と。
それでもそう簡単に結果はついてきませんでした。しばらく勉強から逃げていた私は、勉強のやり方自体が分からなくなっていたのです。
20代前半の時には、作業所メンバーみんなでコンクリート技士の資格試験に挑戦しました。試験後は普通に出来たと周りに話していましたが、いざ蓋を開けてみると私だけが不合格でした。その時の悔しさは今でも覚えています。あまり勉強していなかったはずの後輩が受かり、勉強しているアピールをしていた自分だけが落ちたという事実が異常に恥ずかしく、悔しかったのです。
技術士第二次試験 筆記試験に初めて挑戦した時、休日は予定をほとんどキャンセルし、1日10時間くらいのペースで勉強しました。GWも遊びの予定は入れず、連休中だけでも100時間以上勉強しました。今年で合格を掴み、来年はその分思いっきり遊ぼうという強い思いで臨みました。
ですが現実はそう甘くなく、容赦なく不合格の通知が送られてきました。惜しい結果でもなく「あれだけやったのに合格にかすめてもいないのか」と絶望感と敗北感に包まれました。「もう挑戦しない」という選択が何度も頭をよぎりました。
しかしその後、考えを改めることにしました。
「自分の未来を変えられるのは自分しかいない」
「ここで逃げたら一生逃げ癖がついてしまう」
「終わりよければすべてよし、後からこの悔しい経験を笑い話にすれば良い」
そしてその後、コンクリート技士不合格の悔しさがコンクリート主任技士と診断士の取得に、技術士不合格の悔しさが建設部門の取得と総監部門への挑戦に繋がりました。
この経験から、私は悔しい思いをしたときこそ、次に向けてエネルギーを貯めるチャンスだと、これから高くジャンプするために今はしゃがんで力を貯めているんだと、捉えるようにしています。
話が脱線してしまいましたが、何が言いたいかと言いますと
「その悔しい思いを今どこに向けるかで、今後の運命が変わる」
「自分の未来を切り拓くためには、その悔しい思いを活かすしかない」
ということです。
何事も順調に進んでいると、実は発生している小さな問題にも気付きません。
ですが思い通りの結果にならなかったとき、自分自身を見つめ直すことでその小さな問題に気付くことができます。その1つ1つを改善していけば、それは大きな進歩に繋がります。大きな飛躍の前には、大きな停滞が伴うものです。
この時期は多くの方の心が、技術士試験から離れていくことでしょう。
「また春から頑張れば良いか」
となり、
そして4月頭、技術士試験の願書を出す時期になると、仕事が忙しくなるのも相まって
「申込締切まで時間がない!業務詳細はとりあえず昨年と同じ内容で出そう」
「まずは筆記試験だ、口頭試験は筆記に受かってから考えれば良い」
となるのです。
だからこそ、あなたがここでもうひと踏ん張りすれば、そんなライバル達に差を付け、来年4月からスタートダッシュを切ることができるのです。
ということで、ここからは不合格になったいまだからこそ、必ずやっておきたい2つのことについて説明します。
不合格の時こそやっておきたいこと2選
①開示請求
②口頭試験の内容把握(来年の願書提出に向けて)
①開示請求
開示請求は今すぐにできるものではありませんが、次回試験の対策を考える上で非常に重要になってきます。
合否通知で届くA,B,C判定だけでは、自分の弱点を正確に分析して効率的な対策を立てることができません。ただでさえ物量の多い筆記試験で、対策の方向性を正しく決められないことはかなりの回り道になってしまいます。限られた時間で合格を目指すためには、正しい方向で努力を積み重ねる必要があります。
開示請求をできるのは、来年3月以降(口頭試験の合格発表後)となり少し時間が空いてしまいますが、忘れないよう今のうちから予定に入れときましょう。
②口頭試験の内容把握
なぜ口頭試験の内容を把握する必要があるのか?
それは、来年いくら筆記試験に通っても、4月に口頭試験を意識した願書を出していない場合、口頭試験の突破が絶望的になる場合もあるからです。
私は模擬口頭試験を何度か受けましたが、願書の経験論文が悪く「この内容で口頭試験突破はたぶん無理だね」と厳しく言われ、半泣きになっている受験生を何人か見ました。やっとの思いで筆記試験を突破したのに、いざ口頭試験直前にそうなると絶望的です。来年こうならないためにも、今のうちに4月の願書提出に向けた心の準備をしておきましょう。
口頭試験の内容を把握する上で、鍵となるのは「技術士コンピテンシー」です。
筆記試験でも問われている内容ではありますが、筆記試験の段階で、コンピテンシーを強く意識している方は正直少ないのではないかと思います。
コンピテンシーは、本来願書を提出する時点で理解しておくべき内容です。しかしそのことに気付くのは、口頭試験の対策を始めた段階である方がほとんどだと思います。
だからこそ、この段階で口頭試験の内容を把握し、コンピテンシーを理解した状態で願書の業務詳細を提出することができれば、来年度の試験をかなり有利に進めることができると思います。
口頭試験の対策とコンピテンシーについては、以下の記事でまとめております↓
②技術士受験生 必見!コンピテンシーを制するものが口頭試験を制す
まとめ
難関である技術士第二次試験の筆記試験では、ほとんどの方が悔しい思いをされます。
その悔しさをバネにし、来年度の合格を勝ち取るためにも、まずは今できることをやりましょう!
①開示請求
②口頭試験の内容把握
これらは、来年度あなたが合格を掴み取る上で、大きな役割を果たすことになるでしょう。
多くの人が技術士試験から心が離れる今だからこそ、ここでもうひと踏ん張りして、来年の周りとの差をグッと広げましょう!