いよいよ1級土木施工管理技士の試験が明日に迫りました。ここまで努力してきた自分の力を最大限に発揮するために、最後の一日を有効に使うことが合格への鍵です。試験前日には、これまでの勉強を整理し、心と体を万全な状態に整えることが重要です。
この記事では、試験前日にやるべき準備と心構えについてご紹介します。
1. アクティブリコールによる総復習
新しいことに挑戦しない
試験前日は、新しい知識を詰め込むのは避けましょう。ここまで勉強してきた内容を信じ、復習に集中することが大切です。重要なポイントや何度も間違えた問題などをもう一度見直し、試験に出やすい問題を優先的に記憶を強化します。
人間は文章よりも、イメージやストーリーで覚えた方が記憶効率が高まると言われています。
そこで、穴埋め問題でとりあえず単語だけ覚えていたり、経験論文を文章そのままで覚えている方は、その情景をイメージしながら復習しましょう。
1つずつバラバラに覚えるよりも、一連のストーリー、具体的な映像で覚えた方が、試験当日に芋づる式に思い出すことができます。
一方で、新しい問題集に手を出したり、難解な問題に取り組むのは控えるべきです。余計な不安や混乱を招くのみならず、十分な復習がしきれず、知っているはずなのに当日思い出せない、という一番悔しい後悔にも繋がりかねません。
そのため試験前日は、これまでの勉強で得た知識を当日確実にアウトプットできるようにすることに注力しましょう。
記憶を呼び起こす
記憶はインプットするだけでなく、アウトプットしようと呼び起こされたときに定着しやすい(アクティブリコール)とされています。そのため復習を行う際は、ノートを眺めるだけではなく、自分の頭の中にある知識を呼び起こすように意識して復習しましょう。具体的には、ノートで1つのキーワードを見たとき、他のキーワードも連想して思い出すというのをセットで行うのが良いです。
例えば
「アルカリシリカ反応(ASR)の対策→コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とする」
という文を見たときに、
「ASR対策って、たしか高炉スラグとかフライアッシュの混合セメント使用も効果あったよな??」
「てことは、このまえ現場の均しコンで使った18-10-20BBもASRに効果あるのかな??ちょっと確認してみよう」
「高炉セメントの場合、高炉スラグ比率が40%以上でASR対策に有効なのか」
「BB(Blast Furnace-B種)だと高炉スラグ比率が30〜60%以下だから、ASR対策に有効かどうかは配合計画書で計算してみないと判断できないな」
「とりあえず【ASR対策→高炉40%以上、フライアッシュ15%以上】とだけ覚えておこ!」
このように自身の他の経験や知識と絡めて記憶しておけば、試験当日も思い出しやすくなります。もちろん参考書を見れば関連する内容が同じページに書いてあると思いますが、ここでは自分で能動的に思い出すという過程を重視しています。
特に経験論文に不安がある人は、必ず前日にアウトプットとして書き出す練習をしましょう。頭では完全に覚えているつもりでも、いざ書こうとすると言葉が出てこなくなるものです。書き出す環境が作れない場合は暗記して音読でもOKですが、そのときは黙読でなく、軽く声に出すのが良いでしょう。
実際に紙に手書きすることで、自分の書くスピード、試験の時間配分の計画も立てやすくなります。まだ一度も書き出しをしていないという方は、必ずやっておくことをオススメします。
2. 最後の睡眠学習
質の良い睡眠を確保する
睡眠不足は集中力や判断力を低下させてしまいます。なので試験前日は、夜遅くまで勉強をするよりも、早めに寝て脳を休めることを優先しましょう。
試験の成功には、記憶の定着が欠かせません。睡眠は「脳と心の疲れ」をとるレム睡眠(浅い睡眠)と「体の疲れ」をとるノンレム睡眠(深い睡眠)の時間が交互にやってきます。特に「脳の定期的なメンテナンス時間」とも言われるレム睡眠の間には、脳が整理され記憶を定着させるとされています。動きの遅くなったPCを再起動すると、パフォーマンスが上がるのと同じようなイメージです。
せっかく今までたくさんの知識を詰め込んできても、当日脳が疲れてパフォーマンスが落ちてしまっては元も子もありません。
そのため、試験前日は十分な睡眠をとり、最後の脳の整理を行って、明日当日の試験時間に脳がベストな状態となるように備えましょう。
3. ベストパフォーマンスのための土台づくり
持ち物と試験会場の確認
前日のうちに、必要な持ち物の確認をしておくことも重要です。こう言うと、遠足前の小学生に言うような当たり前のことと思われるかもしれません。
しかし、ここで言う準備は、当日のコンディションに大きく関わる大事なステップです。
すでにみなさんの脳は、これまで詰め込んだ知識でいっぱいいっぱいだと思います。しかし脳にはキャパがあります。
「やばい、電車間違えた。試験に遅刻するかも!」
など重要性の高い出来事が当日起これば、脳はそれを優先してしまい、優先度の低い単語などは簡単に忘れられてしまうことでしょう。それでは試験に間に合っても、脳がベストなパフォーマンスを発揮することは難しいです。
受験案内をよく読んで、受験票、筆記用具、時計、受験資格の証明書、ラベル付飲料の持ち込み可否など、必要なものがすべて揃っているか確認しましょう。
また、試験会場へのアクセス方法や時間も、再度確認しておくと安心です。余裕を持って試験会場に到着できるよう、使用する交通機関と朝の準備を計画しておきましょう。
- 受験票
- 筆記用具
- 時計
- 電卓
- 受験資格の証明ができるもの
- 飲料の持込可否
- 会場へのアクセス手段・到着時間
筆記用具は、予備の鉛筆や替芯なども確認しましょう。試験会場には時計が無いことが多いので、腕時計も準備しておきましょう。電卓については型式まで指定されている試験もあります。受験資格が必要な試験では、当日試験中に資格証などを確認される場合もあります。飲料はラベルを剥がしたペットボトルのみ可など、条件付きのこともあります。試験日は最寄駅から臨時バスを運行する等の措置がとられることもあるので、交通情報も事前によく確認しておきましょう。
いずれも受験票や受験案内に詳細が書いてあると思いますので、忘れずに確認しておきましょう。
当日のシミュレーション
また眠りにつく前に、当日の朝起きてから試験会場に行き、試験問題を解いて、試験が終わるまで、一日の流れを頭の中でシミュレーションしてみましょう。
試験のなかだけでも
「試験直前にはノートのこのページを必ず復習しよう」
「その後答案用紙が配られ、問題が配られ、開始の合図でまず全ての問題に目を通し、問⚪︎の問題から手をつけよう」
「何分後には問△に手をつけ、時間が足りなくならないように配分しよう」
などと、本番そのものを具体的にイメージするのです。一度見たものは慣れが出てきますから、当日同じ流れになったときに、デジャブを見ているような落ち着いた感覚になるでしょう。
その中で引っかかる部分があれば、今日のうちにつぶしておくのが良いです。
具体的なイメージになってくると、漠然とした当日への不安が軽減され、より試験に向けた集中力を高めることができるでしょう。
4. 運は頼らず味方につける
ポジティブな気持ちで試験に臨む
最後に大切なのは、ポジティブな心構えです。試験前日になると「ちゃんと合格できるだろうか」「もっと勉強すればよかった」といった不安が頭をよぎるかもしれませんが、これまでやってきた努力を信じてください。
ポジティブな気持ちで試験に臨むことで、自分の周りにいい流れを作ることができます。ネガティブな気持ちを持っていても、誰も慰めてはくれませんし、運も逃げていってしまいます。
とは言っても、不安や緊張を無くすことなんてできませんよね。
ですがここまで読んでいるあなたは、決して1人ではありません。私も自分が受験したときの緊張感をリアルに思い出していますし、あなたと同じように、明日に向けモチベーションを高めようとこの記事を読んでくれている同志たちもいることでしょう。
あなたがいま不安や緊張を感じているのは、それだけ明日にかける思いが強いからです。全く準備をしていない人は、緊張することすらできません。あなたが緊張するのは、あなたが当日十分に戦えるステージに立っている証拠です。
「ここまでやってきた自分は合格する資格がある」
「自分が受からなければ、誰がこの試験に受かるんだ」
という強い気持ちを持って、最後の一日を迎えましょう。
まとめ
1級土木施工管理技士の試験前日は、無理をせず、これまでの努力を確認する時間にしましょう。焦りや不安はあるかもしれませんが、質の良い睡眠とリラックスを心がけ、ポジティブな気持ちで試験に臨むことで、あなたの全力を発揮できるはずです。
最後まで自分を信じて、合格に向かって進んでください!応援しています!